「大人とは何か?」
何歳になれば大人だと思いますか?
年齢だけでは分別できないかもしれません。大人っぽい子どももいます。
いつから私たちは「子ども」を卒業して「大人」になったんでしょうか。
何か精神的な条件があるのでしょうか?大人と呼ばれる条件を哲学対話で考えてみました。
哲学対話の手順についてはこちらの記事をご覧ください。

対話の流れ
自分の感情/欲望を制御
私たちは冷静な人や落ち着いた人、余裕のある人、責任感がある人を見ると大人っぽいな〜と感じてしまいます。そこに年齢は関係ありません。
責任感と付随して考えられるのが「利他的」であること。他人を思いやって行動する人に大人っぽさを感じることもよくあります。
これらの要素をまとめると「自分の感情や欲望をうまく制御できる力」となります。
自立と計画性
精神的自立や経済的自立できている人も大人だと認識しています。
確かに誰かに依存している人に対して、「大人」とは感じにくいですね。「自立」というのは大人のキーワードかもしれません。
自立できることは計画的であることの裏返しともいえます。
人生計画や将来の資金計画をきちんとできている人は大人らしさが高いような気もします。
経験の差から感じる大人
また、ある特定のシチュエーションで大人を感じることもありますよね。
例えば、バーで一人で飲んでいるおじさんは大人だな〜と思います。飲み会なんかで税金や結婚の話題が増えてきたときも大人になったんだなと実感しました。
これを抽象化すると、自分(過去の自分も含め)と比較したときの「経験の差」から想起される大人だと言えます。自分が経験していないことを経験している人に対して大人と感じやすいのは直感的にわかりやすいと思います。
ただ経験であれば何でもいいわけではなく、自分がこれから経験するであろうこと、経験したいことに限るようです。
大人のネガティブな面
一方で、大人という言葉にはネガティブな面も言及されました。
「大人=つまらない」というイメージを持っている人がいました。大人といえば常識に捉われ、現実的な考え方しかできないというのは多くの人が納得できるのではないでしょうか。
「少年/少女の心を忘れない」というのは一般的にポジティブな意味で使われますよね。
まとめ
まとめると、大人とは「自己のためだけでなく他者のためにも余裕を持って振る舞うこと」となりました。
事例をたくさん出した中で、利他的と余裕がやっぱり最も「大人」を感じやすいと思い、本質定義に組み込みました。そのほかの要素は本質契機として加えています。
本質定義の「振る舞う」という動詞もどこか大人っぽさを感じませんか?ここの部分、初めは「行為する」だったんですが、何かしっくりこず「振る舞う」が採用されました。
一つ一つの言葉から繊細なイメージを取り出すというのも本質観取の面白いところです。
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